通夜・葬式・法要

不祝儀袋には、主に次の3つの形のものがあります。

水引付き不祝儀袋

実物の水引が付いた昔ながらの不祝儀袋です。外包みと中袋、水引、短冊がセットになって販売されていることが多いです。

水引付きの不祝儀袋には「東京折」と「大阪折」と呼ばれる２種類の折り方のものがあります。

外包み

「外包み（そとつつみ）」とは、紙を折って作った外側の包みのことです。不祝儀袋の場合は、外包みに黒や銀（多当タイプの場合は紫や緑も）の線が入っていて、祝儀袋と異なり「熨斗（のし）」が付いていません。

また、不祝儀袋には宗教特有の絵柄が入っているものもあります（ハスの絵柄は仏教、十字架やユリの絵柄はキリスト教特有の絵柄です）。 故人の宗教がわからない場合は、絵柄が入っていないものを選ぶとよいでしょう。

外包みには、多当折・東京折と大阪折と呼ばれる折り方のものがあります。東京折や多当タイプの不祝儀袋をお使いになる場合は、裏面が「流し折」（上部が上にくる折り方）となるようご注意ください。

中袋

「中袋（なかぶくろ）」とは、お金を包む袋のことです。水引付きと多当タイプの不祝儀袋では中袋が付属していることが多く、中袋にお金を包んでから外包みに包むことが一般的です。色は白色のものもありますが、不祝儀袋では黒や紫、緑の線が入っていることもあります。中袋には、包む金額、差出人の氏名、住所を書きます。

水引

水引（みずひき）とは紙でできた紐細工のことです。水引の本数は包む金額に応じて、5本、7本、10本と増やすことが一般的です。

水引の色について

実物の水引が付いた不祝儀袋では、黒白もしくは双銀（銀一色）の水引がよく用いられています。多当タイプや封筒タイプなどの印刷金封では実物の水引はついていませんが、紺や紫、黒などで水引の絵柄が印刷されていることもあります。また、地域によっては黄白の水引を用いることもあります。

水引の結び方について

不祝儀袋では「あわじ結び」もしくは「結び切り」と呼ばれる結び方がよく用いられています。

表書き

水引よりも上側には「表書き（おもてがき）」と呼ばれる贈る名目を、水引よりも下側には差出人の氏名を書きます。表書きは使用シーンや宗教に合ったものを選ぶ必要があり、不祝儀袋の表書きにはさまざまなものがあります。
表書きに関して詳しくは「表書きの書き方・選び方」をご覧ください。

水引付きの不祝儀袋の場合は「短冊（たんざく）」と呼ばれる細長い紙に、印刷金封の場合は外包みや封筒の表面に、あらかじめ表書きが印刷されていることもあります。使用シーンや故人の宗教に合ったものをお選びください。

通夜、葬式（葬儀、告別式）、法事・法要といった弔事の際には、故人の宗教や地域、使用シーンに合った不祝儀袋を用いることが一般的です。

不祝儀袋には、宗教特有の絵柄が印刷されているものもあります。ハスの絵柄は仏教、ユリや十字架の絵柄はキリスト教特有の絵柄です。絵柄の入っていない不祝儀袋であれば、仏教、神道、キリスト教、無宗教、どの場合でも使うことができると言われていますので、故人の宗教がわからない場合は、絵柄の入っていないものを選ぶとよいでしょう。
ただし、地域や風習、宗旨によって異なる場合がございます。より正確な情報をお求めの方は、同じ式に参列される方や、故人の身近な方、式場・お近くの神社仏閣などへお尋ねください。

不祝儀袋は包む金額に応じて、サイズを大きくしたり水引の本数を増やしたりすることが一般的です。包む金額や場合によっては、多当タイプや封筒タイプなどの印刷金封を用いることもあります。

表書きは使用シーンや宗教に合ったものを選ぶ必要があります。表書きに関して詳しくは「表書きの書き方・選び方」をご確認ください。

贈る相手の方との関係性を考慮したうえで、使用シーンや故人の宗教、地域、包む金額に合った不祝儀袋をお選びください。

水引付きや多当タイプの場合は外包みの表面、封筒タイプの場合は封筒の表面、水引よりも下側に差出人の氏名を書きます。氏名は表書きよりやや小さく書くときれいに書くことができると言われています。

短冊をお使いになる場合は、水引にかからないように書き始めの位置にご注意ください。短冊は表書きと氏名を書いたあと墨が乾いたことを確認してから、外包みの表面中央、水引との間に差し込んでお使いください。短冊の裏面には外包みに短冊を固定するための両面テープが付いていることもあります。

中袋には、包む金額、差出人の氏名と住所を書きます。あらかじめ記入欄が印刷されているものはそこへ書いても問題ありません。金額や、差出人の氏名、住所は受け取る相手にとって必要な場合がありますので、書くことをおすすめします。

金額を記入する際の漢数字の書き方

数字	1	2	3	5	6	7	8	10	千	万	円
漢数字	壱	弐	参	伍	六	七	八	拾	阡	萬	円・圓

数字	漢数字
1	壱
2	弐
3	参
5	伍
6	六
7	七
8	八
10	拾
千	阡
万	萬
円	円・圓

不祝儀袋に包むお札は、新札以外のお札を用いることが一般的です。しかし、人に渡すものですので、汚れていたり破れていたりするものは避けたほうがよいでしょう。お手元に新札しかない場合は、一度折って折り目をつけてから入れても大丈夫です。

中袋も封筒タイプの不祝儀袋もお札を入れる際は、お札の向きをそろえて肖像画が中袋の裏面の下側にくるように入れます。中袋の封に関して糊付けの決まりはありませんが、式に持参する場合は受付の方がすぐにお金をまとめられるように封をしないこともあります。封筒タイプの場合は中身が出ないように封をすることもあります。

中袋に記入した金額が入っていることを確認したら、外包みと中袋の表面が合うようにして中袋を入れ、折り目に従い包んでいきます。

東京折 水引を外さずに入れる方法

袱紗（ふくさ）には、挟むタイプのものと風呂敷タイプのものとがあります。弔事と慶事とでは包み方や使用する袱紗の色が異なりますのでご注意ください。

不祝儀袋は人へお金を贈る際に用いるものです。汚れたり折れたりしないよう、取り扱いにはお気をつけください。

挟むタイプ

挟むタイプをお使いになる場合は、挟む向きにご注意ください。反対向きにしてしまうと慶事の際の挟み方になります。

風呂敷タイプ

風呂敷タイプをお使いになる場合は、たたむ順番にご注意ください。反対順にしてしまうと慶事の際のたたみ方になります。